地中熱利用ヒートポンプは冷房時に室内から奪った熱を地中に放出し、暖房時には地中から熱を獲得して室内に供給します。従って、地中温度は冷房時には低温なほど、暖房時には高温なほど効率的です。冷暖房の効率を考えるとき、重要なのは熱を放出・獲得する対象物の温度の安定性です。温度が極端に変化すると、効率が大きく悪化します。
深さ5m以深の地中温度は、ほとんどの地域で一年を通して10~20℃で安定しています。また、地下水が流れている地域でも温度は同程度です。このように、地中熱利用ヒートポンプシステムは温度が安定している地中の熱環境を利用しています。