1-5.地中熱利用ヒートポンプは環境にやさしいというのは本当ですか?

地中熱利用ヒートポンプでは、地中と室内の間でヒートポンプを介して熱だけを移動させます。夏冬とも自然界にある温度差(地中と室内)を利用し、ヒートポンプで冷暖房するため、エネルギー消費を大きく抑制できます( ヒートポンプは少ない電気で稼働し、消費した電気エネルギーの3.5倍以上のエネルギーを得ることができます)。少ないエネルギーで冷暖房できるので、CO2の発生量を少なく抑えることができます。地球環境にもやさしいシステムだといえます。

また、大都市圏では、通常のエアコンからの排熱等によりヒートアイランド現象が生じていますが、地中熱利用ヒートポンプシステムでは、大気中への排熱がないので、夏季の気温上昇を抑制する効果が期待されています。

さらに、灯油やガスを用いる暖房機は、燃焼に伴って発生する一酸化炭素や他の有害ガスを煙突から室外へ排出しますが、地中熱利用ヒートポンプを含めた電気式ヒートポンプは燃焼を伴わないので空気を汚染することもありません。

地中熱利用システムの長所

青森県の公共施設(石上ほか、2010)