1.実証試験結果報告書について
平成22年度環境技術実証事業 ヒートアイランド対策技術分野(地中熱・下水等を利用したヒートポンプ空調システム)は、地中熱利用促進協会が実証機関を担当し、「ヒートアイランド対策技術分野(地中熱・下水等を利用したヒートポンプ空調システム)実証試験要領」(第2版)(平成22年5月18日公表)に基づく実証試験を各実証対象技術(添付資料1の【実証対象技術及び実証番号一覧】を参照)について実施し、合計7件の実証試験結果を実証試験結果報告書として取りまとめて環境省に提出し、それらについて環境省の承認をいただきました。
今回、実証試験を行った各実証対象技術は、ヒートアイランド対策技術のうち、地中熱及び下水熱等を熱源とし、ヒートポンプによって効率的に暖冷房を行う「地中熱・下水等を利用したヒートポンプ空調システム技術」です。本技術分野では、3つの技術のまとまり(実証単位:A、B、C)に区分けし、その実証単位において選定された実証対象技術の実証試験を実施しました。具体的には、施設に設置され稼働中の地中熱等利用空調システム(A:システム全体)、水冷式ヒートポンプ(B:地中熱・下水熱専用ヒートポンプ)、地中熱利用空調システムの地中熱交換器(C:地中熱交換部)です。今回の実証試験により、各実証対象技術のヒートアイランド対策性能等について確認されました。
各実証対象技術の実証試験結果報告書の詳細等は、環境省の環境技術実証事業ウェブサイトのヒートアイランド対策技術分野(地中熱・下水等を利用したヒートポンプ空調システム)ウェブページ
(http://www.env.go.jp/policy/etv/s05_c3.html)及び実証技術情報(実証結果一覧)ウェブページ(http://www.env.go.jp/policy/etv/list_20.html)に後日アップロードされますので、そこから自由にダウンロードしていただくことができます。
なお、環境技術実証事業による環境技術の実証試験結果報告書は、環境技術の性能の保証・認証・認可等を謳うものではなく、一定の条件下における環境技術の環境保全効果についてまとめたものです。各実証対象技術についての詳細等は、実証申請者へ直接お問い合わせください。
2.個別ロゴマークの交付について
環境省が承認した合計7件の実証試験結果報告書について、実証番号が付加された個別ロゴマークが各実証申請者(添付資料1参照)に対し環境省から交付されました。環境省では、この度実証ロゴマークについて、共通ロゴマーク(図1)のデザインを変更し、各技術分野で作成する個別ロゴマークを設定しました。本技術分野の個別ロゴマークは図2のとおりです。個別ロゴマークは、実証試験結果報告書概要版1ページ目上部及び同報告書詳細版の表紙に掲載しています。
図1:共通ロゴマーク(新)
縦型 横型
図2:本技術分野の個別ロゴマーク
3.本事業の成果の公表について(参考)
本事業の成果については、環境省ウェブサイトで公表するほか、各種展示会等においても紹介しています。昨年度は、平成22年10月13日(水)から15日(金)開催の「すまい・建築・都市の環境展 ecobuild2010」に環境省が環境技術実証事業で出展しました。
(http://www.nikkan.co.jp/eve/ecobuild/common/pdf/2010_result.pdf)
また、地中熱利用促進協会も各種展示会に出展して紹介しています。
参考(背景・経緯)
環境技術実証事業は、既に適用可能な段階にありながら、環境保全効果等についての客観的な評価が行われていないために普及が進んでいない先進的環境技術について、その環境保全効果等を第三者が客観的に実証することにより、環境技術を実証する手法・体制の確立を図るとともに、環境技術の普及を促進し、環境保全と環境産業の発展を促進することを目的とするものです。
本技術分野では、ヒートアイランド対策技術のうち、「地中熱・下水等を利用したヒートポンプ空調システム」※の実証試験を行っています。
※地中等(地下水・河川・下水等も含む)と外気との温度差を利用して、空冷式のヒートポンプより効率的に建築物の冷暖房を行う技術です。地中熱等(地下水・河川・下水等の熱も含む)は、冬は外気よりも暖かく、夏は外気より温度が低いという特性を有することから、空気を熱源とするよりも効率よく冷暖房を行うことができます。そして夏季においては、外気と熱交換する空冷式のヒートポンプ(一般的な冷房)のように室外機による排熱を空気中に放出せず、地中等に排熱するため、外気への人工排熱が低減され、外気の温度上昇を抑制するという特徴を有します。
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