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・スイス地中熱利用施設

国際エネルギー機関(IEA)地熱実施協定(GIA)に基づく執行委員会が平成17年9月22日〜23日にスイスのチューリッヒにて開催され、関連して地中熱利用施設を見学する機会を得た。

見学した施設はルツェルン近郊のルートに建設された総床面積130,000?のビジネスセンターであり名称をD4という(写真1)。チューリヒより車で1時間程度の距離にあり、ビジネスセンターの周辺には牧草地が広がっていた。2003年に第一期工事は完了し、既に地中熱利用施設は稼動しており、見学時には隣接地にて二期工事の最中であった。

地中熱利用施設は、石油/ガスボイラー、温水/氷タンク、太陽熱交換機、ヒートポンプ、地中蓄熱システムから構成される(図1)。

地中への畜熱には160m深さの孔を6.5m間隔のグリッド状に49孔掘削し(写真2)、ひとつの孔内にパイプを2重U字状に入れている。地中に埋設した蓄熱用パイプの直径は32mmであり、システム全体では31kmの総延長のパイプを使用している(写真3)。蓄熱体の地表面積は45.5m×51.5mの規模で、畜熱体積は376,000m3であり、スイスで最大級のものとのこと。このシステムの特徴は、ビルの屋上に設置した660?の面積を持つ太陽熱交換機により熱交換し、冬季には直接利用するとともに、夏季に地中に畜熱する。また、冷熱の蓄熱は氷を生成しタンクに貯める。

第一期工事分では最大熱出力950kWのボイラーと冷凍能力760kWの冷凍機を設備し、センターでの使用エネルギーの50%を再生可能エネルギーにより賄うことを当初の目標としたが、実績として60〜65%を再生可能エネルギーでカバーしているとのこと。

(NEDO技術開発機構 赤坂千寿)


図1 システム概要(Keller et al., 2001より


写真1 ビジネスセンターの外観


写真2 蓄熱孔の配置(Keller et al., 2001より


写真3 熱交換パイプ集合分岐箇所(地下駐車場内)


写真4 ヒートポンプとリーバッハ教授

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